診療案内:甲状腺・副甲状腺疾患
甲状腺・副甲状腺疾患
甲状腺疾患の症状は実に様々です。同じ甲状腺の疾患であっても、機能亢進による症状と、機能低下による症状では、相反する点が多くみられます。
また、代謝をつかさどるホルモン分泌の異常であるため、身体全体に影響が及び、他の病気と間違われる事も多い疾患と言えるでしょう。
皆さんの中には、甲状腺疾患は、「一生治らない病気」とか「目が飛び出してくる病気」と思われている方も多いと思います。
確かに、甲状腺疾患の中で最も代表的なバセドウ病や橋本病は、自己免疫疾患のため、長期治療が必要となりますが、治らない病気ではありません。また、眼球突出はバセドウ病の代表的な症状ですが、眼球突出をきたす割合は3割程度とそれほど多くはありません。
甲状腺機能亢進症の代表的な疾患であるバセドウ病は、男女比が1:5-10と、女性の罹患率が男性より5倍以上も高く、日本では約1,000人に5人程度認められる、比較的頻度の高い疾患です。典型的な症状としては、体重の減少や頻脈・多汗・手の震え・イライラして怒りっぽくなる(易怒性)などがあげられます。
また、甲状腺機能低下症の代表的である橋本病は、慢性甲状腺炎とも呼ばれ、バセドウ病とは逆に必要量の甲状腺ホルモンが得られないため、新陳代謝が低下し、徐脈や体温の低下・皮膚の乾燥・手足のむくみ(非圧痕性浮腫)・体重増加・気分の落ち込みや不安感増加傾向の症状が見られます。
このように、甲状腺疾患は、一見しただけでは判断が難しく、更年期障害や脂質異常症・うつ病・認知症として治療されていることもあります。当クリニックでは、甲状腺疾患を専門とする医師が、患者様の症状をもとに、血液検査・超音波検査・穿刺吸引細胞診などを行い、多角的なデータから疾患を特定し、治療につなげています。
穿刺吸引細胞診とは?
穿刺吸引細胞診は、超音波検査などで甲状腺にしこりが見つかった場合、そのしこりに細い針を刺して細胞をとり、顕微鏡でみて良性か悪性かを判断する検査です。痛みは、腕からの採血とほとんど同じで、ほかの臓器に行う針生検よりも侵襲が少なく、合併症が起こる可能性も低い検査です。入院することなく外来診療で短時間に検査ができ、細胞診の結果によって治療方針が決められるので、とても重要な検査といえます。