診療案内:アレルギー
アレルギー
花粉症・喘息・アトピー性皮膚炎に代表されるアレルギー疾患は、もはや国民病とも呼ばれるほど増加の一途をたどっています。
人間の身体は、細菌やウイルスなど、身体にとって異物(病原体)が侵入したと感知すると、その病原体と戦うための免疫機能が働きます。免疫にはそれぞれの役割があり、チームとなって身体を守りますが、その免疫による防御反応が、現代の環境因子やライフサイクルの変化により異常をきたし、くしゃみや咳・発疹・呼吸困難などの症状を引き起こしてしまう状態がアレルギーです。
花粉症の時期に他のアレルギー症状が悪化すると感じたことはありませんか?
花粉症をきっかけに検査をすると、喘息や他のアレルギーが判明することがあります。
気管支喘息(喘息)とは、空気の通り道である気管支(気道)が慢性的に炎症を繰り返すことで気管支が狭くなり、呼吸時にヒューヒュー、ゼーゼーといった音が聞こえる喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難などの発作が生じる病気です。原因は遺伝的要素に加え、アレルギー(ハウスダスト・ダニ)・気道の刺激・薬剤など、複数の要因がからみあって発症していることが多いとされていますが、発症年齢は幼児期と40~60歳代に2つのピークがあり、子どもから大人まで幅広い年齢層の方に発症します。小児喘息の多くは思春期の頃には症状がよくなっていきますが、そのうちの約30%は成人喘息に移行するといわれています。また、大人になってから初めて症状が現れる成人喘息は40~60歳代に多く、成人喘息の発症年齢の半数以上を占めています。
治療法は、発作の頻度や強さによって異なりますが、発作の頻度が少なく症状も軽い咳といった程度であれば、適切に気管支拡張薬を使用し、発作の頻度が多く、夜間の睡眠中にもしばしば発作が生じるようであれば、ステロイドなどの治療薬を使用することもあります。
アレルギー反応は、免疫機能と密接に関係し、日頃の食生活や精神的ストレスなど、免疫力を低下させる要因が重なった時により悪化します。体の構造上、鼻と気道はつながっており、鼻や目の粘膜に花粉が付着することで起こる症状は気道へと流れ、気道が刺激を受けて炎症を起こすことになります。花粉症を併発する喘息の患者様の約35%が、花粉症の時期に喘息の悪化がみられるとの報告もあります。このように、特に花粉症の時期には、免疫力を正常に保つ工夫と、咳や喘息のコントロールの強化、および投薬による早めの備えが必要となります。
風邪症状は無いのに喉がイガイガする・鼻が出る・目がかゆい・一年を通して咳が出る・あるものを食べたら蕁麻疹が出た等のアレルギー症状を感じたら、検査でアレルギーを引き起こしているアレルゲンを特定しておくことが予防となります。当クリニックでは、症状に合わせたお薬の処方と予防法についてお伝えしています。特定のアレルゲン以外に、一度の少量採血で、39項目のアレルゲンをまとめて調べられる検査も可能です。